ガーデン用品屋さんの花図鑑 スミレ

スミレ

スミレの特徴

スミレの仲間には野生種、園芸種ともに数多くあります。パンジーやビオラもそのひとつです。正確にはただ「スミレ」といった場合、スミレ(V. mandshurica)を指しますが、園芸上ではスミレといえば日本の自生種やその改良品種、欧米からの輸入種(パンジーやビオラ、ニオイスミレなどを除く)をまとめてそう呼んでいます
日本ではなじみの深い花で、少し緑の多い地方に行けば、山林や野原、人家の近くなどに普通に見られます。それだけ丈夫な証拠で、家庭での栽培でも増えすぎに注意が要るほどです。品種も多く、背丈が低いものや高いもの、高山植物扱いのもの、変種、改良品種、輸入種など様々なものが出回っています。暑さに弱いものはビオラ同様、一年草扱いされることもあります。花は下側の花弁がやや大きくなり、そこに模様が入るものが多いです。後ろには長い距を伸ばします。一目でスミレ属とわかる特徴的な姿です。花後にはプロペラ状にタネがつきます。こぼれダネで増えやすいです。葉は手のひら状のものと、やじり型~ハート型で、大きくなるものはハート型が多いです。株はロゼット状で葉と同じかそれより少し高い程度の花茎を伸ばします。品種によって冬に葉を保つものと落葉するものがあります。日本産の品種は基本的に落葉し、外国産のものは常緑のものも多いです

育てやすさ:★初心者向き(平地性の品種)、★★★やや難しい(高山・寒冷地の品種)
日光:日向を好む 夏は半日陰でも大丈夫です
水やり:適量
育成環境:種類によっては乾燥に少し弱い
寒さ:強い
季節・開花時期:3~5月

スミレの育て方

秋から初夏までは日当たりのよい場所に植えます。丈夫なので半日陰でも育ちますが、徒長してしまい美しい姿にならず花つきも悪化します。夏の間は風通しのよい半日陰に移動し、地植えの場合も落葉樹の下など、なるべく半日陰になるような場所に植栽します。土壌は水はけ、水もちのよい、あまり乾燥しない場所が適地です

管理:タネをつけさせる必要がない場合は、花がらは摘みとったほうがよいです
肥料:花後と秋に控えめに緩効性肥料を与えます
病害虫:黒とオレンジの斑点のツマグロヒョウモン(イモムシ)は厄介なので早めに駆除します。ジメジメした場所ではナメクジの被害もあります
タネから:発芽、育苗とも楽で、タネも大きく初心者でも育てやすい。適した環境ならこぼれダネでも勝手に増える程です

スミレのデータ

科名:スミレ科
分類:夏緑~常緑多年草・一年草扱い
原産地:北半球の温帯
大きさ:背丈5~40cm 横幅10~40cm
主な見所:花(3~5月)